それは神様のきまぐれだったのか? 冴えないサラリーマンが神社に願掛けしたところ、次から次へと願い事が叶ってしまう。そしてついには、社長から会社創立の記念映画を監督するよう命令が下る。映画監督、それは若き日の彼の夢でもあった……。 富山県魚津市を舞台に、映画製作という、忘れていた夢を追い求めていく男の愚直なまでの美を描く、笑いと涙のハートウォーミング・ムービー『げんげ』。本作は吉本興業とTBSバラエティ番組制作スタッフが手を組んで作られたユニークな製作体系の作品であり、また富山県魚津市の全面協力の許、富山県の風物や名所、方言などを存分に活かしながら、心揺さぶる熱い人間ドラマが繰り広げられていく。特にクライマックスは地元エキストラおよそ900人が集まって、ミラージュランドで踊るシーンは、昨今流行りのCGなどでは表現しえない人情スペクタクルとして見るものを圧倒すること必至。2013年春の第5回沖縄国際映画祭では“Laugh”部門で上映され、多くの観客の熱い喝采を集めた。 主演はお笑いコンビ“ドランクドラゴン”で人気を博し、『間宮兄弟』で各映画賞新人賞を総なめし、俳優として大いに飛躍を遂げた塚地武雅。ヒロインにはモデル出身で女優としての進境著しい山田優。また川島明(麒麟)、吉田敬(ブラックマヨネーズ)、鈴木拓(ドランクドラゴン)などお笑い芸人から竹内寿、笠原秀幸など若手実力派、草村礼子、梶原善、菅田俊、黒部進といったベテラン勢ががっちり周りを固めている。監督はTBSのプロデューサー&ディレクターとして活躍中の角田陽一郎。本作は彼が映画監督になりたいという長年の夢を実らせた、ある意味実話の映画化(!?)でもあるのだ。

“下の下”か?“幻魚”か?
げんげとは、主に日本海沿岸で水揚げされ、食されている深海魚で、正式名称はノロゲンゲ。かつては“下の下(げのげ)”と言われ、底引き網で獲られた後、捨てられていた雑魚の雑魚で、現在も専門に獲っている漁師はあまりいないという。見た目も悪く、市場では一皿250円ほどの安さで売られている。ただし、一方では寒天のようにプルプルした食感や、良い出汁が出ることで食通に知られており、珍味として重宝されている。別名・幻魚(げんぎょ)と呼ばれる所以である。

叶えられた願い事
本作はこれが映画監督デビューとなった角田陽一郎の実体験から生まれたものである。あるとき、彼が九頭龍神社で「映画を撮りたい」と願をかけたところ、その翌日に何と本作のオファーがあり、そこで彼は自身の体験をストーリーに盛り込んでいったのだ。つまり、劇中で塚地演じる田中は角田監督そのものであり、製作中に彼が体験した失敗やハプニングなどもすぐさま映画に採り入れられ、塚地がそれを再現していくというユニークな趣向となっているのだ。「とにかくいつも隣にモデル(=監督)がいてくれるので演じやすかったですね。それに現場で監督が見切れて画面に映ってしまったり、カットの声をかけるのを忘れたりと、いつも真横でアタフタしている姿を見ているだけで、こちらも感じをつかめてくるんですよ(笑)」(塚地)

これが田中洋平、九つの願い事だ!
① 朝、早く起きれますように。
② 下痢が治りますように。
③ 宝くじが当たりますように。
④ 課長になれますように。
⑤ どこか遠くへ行けますように。
⑥ 美味しいものが食べられますように。
⑦ 女性にキャーキャー言われますように。
⑧ 結婚相手が見つかりますように。
⑨ 夢が叶いますように。

ひがき食品の冴えない営業マン田中洋平は、社員旅行で訪れた箱根の九頭龍神社で九つの願い事をした。 まもなくして、彼の願いは次々と叶えられていく。まずは100日も続いていた下痢が治り、宝くじで50,000円が当たった。その直後、会社創立50周年記念事業の一環として、何と社長の半生を描いた映画『げんげ』を監督するよう命令される。映画監督、これこそ田中が若い頃に願っていた夢であった。 映画製作の開始に伴い、田中は課長に昇進し、富山県の魚津支社に、後輩の吉住明とともに転勤することになった。若く綺麗な支社の事務員・浜田弥生や漁協組合長の長島らに迎えられ、さらに田中はかつての自主映画製作仲間を脚本家として招いた。 話し合いの結果、若き日の檜垣社長が魚津で会社を創業した当時のエピソードを映画にすることで意見は一致したが、ところで生まれも育ちも横浜の社長が、なぜ17歳で魚津に渡り、22歳で創業したのか?しかし社長は自分のことを語ろうとはせず、自由にやってほしいと言うばかり。当然脚本作りは難航し、立身出世物語のはずが、いつのまにかハードボイルド暗黒街映画、加えてなぜか怪獣まで出現させなくてはいけなくなってしまう!?出演者も社長本人や長島組合長、そしてヒロインには弥生を抜擢という、全て内輪のキャスティング。ようやくクランク・インしたものの、慣れない田中はガチガチでプロのスタッフから呆れられる日々……。果たして映画は完成できるのか? そして田中の夢は、願い事は全て叶うのか?

≪監督プロフィール≫

角田陽一郎
TBSテレビ プロデューサー/ディレクター
「さんまのスーパーからくりTV」「中居正広の金曜日のスマたちへ」「EXILE魂」「あいまいナ!」等バラエティー番組を手がける。
現在はいとうせいこう/ユースケ・サンタマリアMCのオトナのためのトーク番組「オトナの!」(関東ローカル水曜25時55分~)
http://www.tbs.co.jp/otonano/放送中。


≪出演者プロフィール≫

塚地武雅(ドランクドラゴン):田中洋平役
1971.11.25 生まれ。大阪出身。プロダクション人力舎所属。
主な出演作品は「LIFE」、「人志松本のすべらない話」、「アメトーーク」、「ハンチョウ~神南暑安積班~」
2006年公開の映画『間宮兄弟』(江國香織原作)において、キネマ旬報、ブルーリボン賞、毎日映画コンクールの三冠映画賞新人賞を受賞。

川島明(麒麟):平原拓哉役
麒麟のボケ・ネタ作り担当。立ち位置は向かって右。
京都府宇治市出身。京都府立莵道高等学校卒。血液型AB型。身長179cm。 NSC20期生。
漫才の掴みに「麒麟です。」とマイクに近づいて低い声で囁く。
漫才ではその美声を生かしてさまざまなキャラクターをこなし、 漫才時は常に黒のスーツで登場する。

山田優 :浜田弥生役
1984.7.5生まれ。沖縄出身。
【映画】2010年『のだめカンダービレ 最終楽章 後編』、2012年『旅の贈りもの~明日へ~』
【舞台】2011年「ヴィラ・グランデ青山~返り討ちの日曜日~」、 2012年3月8日「LOVE LETTERS 2012spring special」、
2013年「シェイクスピア『オセロ』」他ドラマ、CFなど多数出演。

スタッフ

監督
プロデューサー



脚本


脚本協力
撮影
照明
音楽




角田陽一郎
安田淳
富田好美
仲良平
稲冨聡
楢原拓
最中妙
塩崎遵
ビル坂恵
小松高志
藤森玄一郎
太田光則